東京高等裁判所 昭和32年(う)1227号 判決
被告人 郭皇永
〔抄 録〕
職権をもつて按ずるに原判決は原判示第二の事実に対し併合罪をもつて処断していることはその法令の適用の部に刑法第四十五条前段第四十八条第二項を掲げていることにより明らかであるが刑法第百七十五条に所謂販売とは不特定多数に対してなすの目的に出でた有償的の譲渡行為をいうのであつて性質上反覆せられる多数の行為を包含するものであるから各販売行為はこれを包括的に一個の犯罪として処罰すべきものであることは夙に大審院判決(昭和十年十一月十一日第二刑事部言渡)の示すとおりであり従つて原判決が原判示各販売行為をもつて夫々独立の一罪と認めこれらを併合罪の関係にあるものとしていることは判決に影響を及ぼすべきこと明らかな法令の適用を誤つた違法があると謂わざるを得ず、原判決はこの点において破棄を免れない。
(中村光 久永 鈴木)